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地方のホームページ制作費用の相場は?長野県のデータから解説
ホームページ制作の見積書を前にして、「この金額が妥当なのか分からない」と感じる方は少なくありません。
まだ制作会社へ相談していない段階でも、ホームページを作るために、いくら用意すればよいのか見当がつかないことがあります。
ホームページを作ろうと考えたとき、最初につまずきやすいのが費用の問題です。
理由のひとつとして、ホームページ制作業界では、制作料金を公開する習慣があまり定着していないことが挙げられます。
(出典:Web幹事「コーポレートサイトの費用と料金相場」更新日2026年8月18日)
似た規模のホームページでも、依頼する制作会社によって提示される金額は異なります。
そのため、複数の会社を比べようとしても、判断材料となる料金が表に出ていない場合があります。
ホームページ制作のご相談を受けるなかで、依頼する側と制作する側との間で行き違いが起きやすいと感じることが3つあります。
- 制作費が何によって決まるのか
- ホームページを公開したあとに、どのような費用や作業が続くのか
- 公開後に、自分でホームページを修正・更新できるのか
この記事では、公開されている数字を手がかりに、この3つを順番に見ていきます。
読み終えたときに、ご自身のお店や事業でホームページを作る場合、どの程度の予算を見込めばよいのか判断できる状態を目指します。
特定の制作会社について、良い・悪いと評価する記事ではありません。
ホームページ制作の費用を自分で判断するための材料をお渡しするところまでを目的としています。
長野県の相場を調べても、自分の店に当てはまらない理由
結論から言うと、ホームページ制作費を地域で区切って調べても、金額の幅が大きく狭まるわけではありません。
全国の相場記事を読んで、「10万円から300万円」のような大きな価格差に戸惑った方も多いと思います。
「長野県」などの地域名を加えて調べ直せば、もう少し狭い相場が分かるのではないか。
そう考えるのは自然です。
長野県のホームページ制作費について、よく引用される数字があります。
Web幹事が2026年8月21日に更新したデータでは、長野県で発注されたホームページ制作費の平均は92.0万円、中央値は68.6万円です。
中央値とは、調査対象となった金額を安い順に並べたとき、ちょうど中央に位置する金額を指します。
同じWeb幹事が2026年8月18日に更新した全国データでは、企業サイト(コーポレートサイト)の制作費は平均95.6万円、中央値50.0万円となっています。
この2つを比べると、平均額は近いものの、中央値は長野県のほうが高くなっています。
少なくとも、このデータから「地方でホームページを作れば、都市部より安くなる」と判断することはできません。
長野県の発注金額の内訳を見ると、50万円以下が31%、50万〜150万円が50%、150万円以上が10%です。
同じ長野県内でも、実際の制作費には大きな幅があります。
では、この数字は何を表しているのでしょうか。
長野県と全国のデータは、いずれも一括見積のマッチングサービスを利用した発注記録をもとにしています。
つまり、「そのマッチングサービスを利用してホームページ制作を発注した人が、実際にいくら支払ったのか」を示すデータです。
長野県の発注内容では、企業サイトが半数を占めています。
そのため、従業員が数名以下の小規模な店舗や工房などの発注が、十分に含まれているとは限りません。
また、長野県内の店舗や事業者が、地元の制作会社へ直接相談して契約した場合、その発注金額はマッチングサービスの記録には残りません。
相場の数字が自分のお店に当てはまらないのは、数字の読み方が悪かったからではありません。
そもそも、自分とは条件の異なる事業者が発注した記録を見ている可能性があるためです。
ホームページ制作費の幅を作っている主な要因は、単純な地域差ではありません。
誰が、どのようなホームページを、どこまで制作会社へ依頼したのか。
この違いによって、制作費は変わります。
そのため、ホームページ制作の予算を考えるときに知るべきなのは、相場の数字だけではありません。
金額がどのような仕組みで変わるのかを理解することが重要です。
ホームページの値段は「作業量×単価」で決まる
ホームページの制作費は、制作するために必要となる作業量によって大きく変わります。
ホームページ制作には、製造業のように大きな材料費がかかるわけではありません。
Web幹事も「ホームページ作成費用の相場は?」の記事で、ホームページ制作費の大部分は人件費だと説明しています。
この考え方だと、制作費を「何日分の作業なのか」という形に置き換えて考えられます。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、Webデザイナーの賃金は1時間あたり2,614円です。
これは、令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした全国の値です。
1日8時間として単純計算すると、約2万円になります。
ただし、この約2万円は、Webデザイナーとして働く人が受け取る賃金をもとにした金額です。
制作会社から発注者へ請求される1日分の制作費ではありません。
実際の制作費には、打ち合わせに使う時間、機材やソフトウェアの費用、事業を継続するための費用なども含まれます。
そこで、見積金額の規模をつかむために、1人が1日作業する単価を少し高めに設定して考えてみます。
仮に1日3万円とすると、30万円のホームページは約10日分、10万円なら約3日分の仕事という計算になります。
このように金額を作業日数へ置き換えると、見積の見え方が変わります。
たとえば、約3日分の作業量で、打ち合わせ、サイト構成の作成、デザイン、文章の流し込みまで、すべて終えられるでしょうか。
難しいと感じる場合、その見積では何らかの作業が含まれていない可能性があります。
これは、制作会社が手を抜いているという意味ではありません。
最初から、見積に含まれる作業範囲が限定されているということです。
制作費が高くなる場合も、基本的な考え方は同じです。
依頼する作業が増えれば、必要な作業日数も増え、その結果として見積金額も高くなります。
ホームページ制作のご相談を受けるなかで、作業日数を押し上げる原因として特に多いと感じるのは、修正回数の増加です。
たとえば、社内でホームページの内容を決める人が複数いて、それぞれの意見が分かれた場合です。
また、公開直前になって掲載内容を変更したくなった場合も、すでに進めた作業をやり直す必要があり、作業量が増えます。
同じ地域のなかに、これだけの幅がある
長野県内の制作会社が公開しているホームページ制作費を確認すると、5万円台から100万円を超えるものまであります。
つまり、「地方だからホームページ制作費が安い」ということではありません。
同じ地域のなかでも、制作費の幅が大きいというのが実際のところです。
では、その価格差によって何が変わるのでしょうか。
公開されている情報を整理すると、おおよそ次の3つの価格帯に分けて考えられます。
| 価格帯 | 含まれることが多いもの | 自分で用意することが多いもの |
|---|---|---|
| 10万円前後まで | 用意された型を使ったデザイン、1ページ、または少ないページ数 | 原稿、写真、公開後の修正 |
| 20〜50万円 | 数ページ〜10ページ程度、自分で更新できる仕組み | 撮影か原稿のどちらか一方 |
| 50万円以上 | 10ページ以上、予約などの機能、写真と文章の作り込み | 特になし(範囲は要確認) |
10万円前後までの価格帯では、ホームページを公開したあとの修正を受け付けない場合もあります。
20〜50万円の価格帯では、原稿や写真を発注者側で用意するケースが多くなります。
(出典:Web幹事「コーポレートサイトの費用と料金相場」更新日2026年8月18日)
「できるだけ安くホームページを作りたい」というご相談は、当社でもよくいただきます。
その場合は、予算を抑えるために削ってもよい部分と、できるだけ削らないほうがよい部分とを分けて考えています。
削りやすいのは、サイト全体の目的から見て優先順位が低いページです。
たとえば、コラムやお客様の声などが該当します。
コラムについては、独立したページ群を作らず、「お知らせ」のカテゴリー分けなどを使って代用する方法もあります。
お客様の声も、掲載できるのであれば用意したいコンテンツです。
しかし、予算が限られている場合は、制作対象から外すことがあります。
一方、削らないほうがよいのは、問い合わせにつながる部分です。
具体的には、お問い合わせページと、各ページからお問い合わせページへ利用者を案内する導線です。
ここを薄くすると、問い合わせを得るというホームページ本来の目的を果たしにくくなります。
10万円前後のホームページでも、十分に機能している店舗はあります。
ただし、そのためにはいくつかの条件があります。
- すでに店名や事業者名を指定して来店するお客様がいる
- 営業している地域に競合が少ない
- 商品やサービス自体が、長い説明を必要としない
このような場合、ホームページ上で多くの情報を使って利用者を説得する必要がありません。
実際にうまく機能しているケースを見ると、見た目を細かく作り込むことより、問い合わせまでの道すじと、そこに置く言葉が重要になっています。
一方、Googleなどの検索結果から新しいお客様を獲得したい場合は、10万円前後の価格帯では十分でないことがあります。
同じ地域に競合が多い業種や、写真の質が売上に大きく影響する業種についても同様です。
当社の具体的な制作料金は、料金・プランページに掲載しています。
価格帯によって制作内容がどのように変わるのかについては、別の記事で詳しくお話ししています。
制作費用のほかに、毎年かかるお金がある
ホームページは、制作して公開すれば費用が一切かからなくなるものではありません。
ホームページを公開したあとも、運用を続けるための費用が発生します。
主な費用は、大きく2つに分けられます。
ひとつは、ホームページをインターネット上に置いておくために必要な費用です。
具体的には、サーバー、ドメイン、通信を暗号化する仕組みなどの費用で、月額数百円から数千円ほどかかります。
もうひとつは、制作会社と結ぶ保守・管理契約の費用です。
保守費用は、月額1万円から5万円程度が一般的とされています。
(出典:Web幹事「ホームページ作成費用の相場は?」)
ホームページを作り直したいというご相談を受けたとき、その理由として「現在の管理料金が高い」と言われることがあります。
ホームページを作るときは初期費用に目が向きやすいため、公開後に毎月発生する費用を、後から負担に感じる方もいます。
保守契約については、デメリットも先に確認しておく必要があります。
保守費用は、金額だけを見てもサービス内容が分かりにくい費用です。
ホームページの稼働状況を監視するだけなのか。
それとも、毎月決められた回数の文章・画像修正まで含まれているのか。
保守契約の内容は制作会社やプランによって異なるため、月額料金だけを比べても判断できません。
ホームページ制作の予算を考えるときは、初期制作費だけで判断せず、公開後1年間に必要となる維持費も加えて計算してみてください。
1年間の総額で見ると、予算に対する印象が大きく変わることがあります。
補助金を使うなら、予算の組み方が先に変わる
ホームページ制作に補助金を利用する予定であれば、制作金額を決める前に補助金の条件を確認してください。
利用する制度によって、ホームページ制作の予算や進め方が変わるためです。
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の第20回公募では、ウェブサイトに関わる費用について、補助金交付申請額の上限が30万円(税込)と定められています。
また、補助全体の上限は50万円、補助率は3分の2です。
(出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募要領 第8版、2026年7月21日改版)
さらに、ウェブサイト関連費だけで補助金を申請することはできません。
ホームページ制作以外の販路拡大に関する取り組みと組み合わせて申請する必要があります。
そのため、制度上は「補助金を使ってホームページだけを作る」という考え方ではありません。
販路を広げるための取り組みの一部として、ホームページも制作するという形になります。
ホームページ制作の予算設計に関係するルールが、もうひとつあります。
補助金を利用して50万円(税抜)以上のホームページを作った場合、そのホームページは5年間、目的外に使用したり手放したりすることが制限されます。
ただし、補助事業の目的を達成するために必要な改良や機能追加については、この制限にはあたりません。
こうした条件を踏まえると、予算の考え方は大きく2つに分かれます。
補助金を前提としてホームページを作るなら、30万円前後をひとつの基準として予算を組む。
一方、制作内容を重視してしっかり作る場合は、補助金の上限を前提にせず予算を考える。
どちらで進めるのかを制作会社へ相談する前に決めておくと、その後の話を進めやすくなります。
地元の補助金は使えるのか
例えば、伊那市には「販路拡大事業補助金」があります。
ただし、自社のホームページ制作費は、同制度の対象経費には挙げられていません。
対象となるのは、展示会への出展や、他社が運営するWebサイトへの掲載などです。
また、補助対象となる事業者も、製造業などに限られています。
(出典:伊那市公式サイト、更新日2026年4月27日)
ご自身の自治体の補助金一覧を見て、「この補助金を使ってホームページを作れそうだ」と考える方もいると思います。
実際に利用できるかどうかは、対象となる事業者、経費、実施内容などの要件を必ず確認してください。
補助金について気をつけること
補助金は、原則として事業者が先に費用を支払い、その後に補助金が支給される後払いの仕組みです。
そのため、ホームページ制作費についても、まず自分で全額を支払う必要があります。
また、補助事業として実施してよいと認められる前に発注や契約をすると、補助対象外になります。
先に制作会社へ発注してホームページ制作を始め、その後で補助金を申請するという進め方はできません。
申請から事業実施までに必要な期間は、利用する補助金や公募時期によって異なります。
ホームページをいつまでに公開したいのか決まっている場合は、商工会・商工会議所と制作会社の両方へ早めに相談してください。
なお、補助金制度は公募ごとに内容が改定される場合があります。
実際に申請するときは、必ずその時点で公開されている最新の公募要領をご確認ください。
お問い合わせる前に決めておく5つのこと
「ホームページ制作の相場を知らないまま、制作会社へ相談するのが怖い」と感じる方もいると思います。
この不安は、相談する前に次の5つを決めておくと軽くなります。
1.何のためのサイトか
まず、ホームページを作る目的を決めます。
会社や店舗の情報を伝える名刺代わりのホームページでよいのか。それとも、Googleなどの検索から新しいお客様を獲得したいのか。
ホームページに求める役割によって、必要となる制作内容と予算の価格帯が変わります。
2.何を載せたいか
ホームページに掲載したい内容を考えます。
この段階では、細かな文章まで作る必要はありません。
「トップページ」「サービス」「料金」「会社概要」「お問い合わせ」など、ページ名まで決めておけば十分です。
何を載せるべきか判断できない場合は、サイト構成そのものを制作会社へ相談しても問題ありません。
3.原稿と写真を自分で用意できるか
掲載する文章と写真を誰が用意するのかは、制作費を大きく左右します。
自社で原稿や写真を用意するのか。
それとも、制作会社へ文章作成や撮影まで依頼するのか。
ここが、制作費を分ける大きなポイントになります。
4.補助金を使うか
ホームページ制作に補助金を利用するかどうかも、相談前に考えておきます。
補助金を利用する場合、発注や契約の時期にも条件があるため、制作を始めてから変更しにくい部分です。
5.誰が決めるか
ホームページのデザインや掲載内容について、最終的に誰が決定するのかを決めます。
社内で判断する人が複数いて意見が分かれると、修正回数が増えます。
制作開始後に修正が増えれば、その分だけ制作会社の作業量も増え、追加費用につながる場合があります。
「原稿と写真を自分で用意できるか」については、先にお伝えしておきたいことがあります。
原稿をすべてご自身で作成していただいた場合でも、その文章を修正せず、そのままホームページへ掲載できるケースは多くありません。
ほとんどの場合、ホームページ上で読みやすくするため、こちらで文章を手直しする必要があります。
そのため、原稿を自分で用意したとしても、制作費が想像したほど下がらない場合があります。
一方、写真については条件が異なります。
制作前に指定した画像サイズ、画角、縦横比などを守って撮影・用意していただければ、そのまま使用できる場合があります。
写真を自分で用意することは、実際に制作費を下げやすい部分です。
「予算はいくらですか」と聞かれたら
制作会社から「ホームページ制作の予算はいくらですか」と聞かれても、最初から具体的な金額を伝える必要はありません。
代わりに、下記について伝えてください。
- ホームページを作る目的
- 掲載したい内容
- 原稿や写真など、自分で用意できるもの
この3つが制作会社へ伝われば、どの程度の価格帯になるのかを提示してもらえます。
最初から自分で予算額を決めて伝える必要はありません。
相見積は失礼ではない
ホームページ制作会社を比較するときは、同じ条件を2〜3社へ伝え、それぞれから見積を取ってみてください。
このときに比べるのは、単純な総額だけではありません。
同じ条件を伝えることで、各社の見積に「何が含まれていて、何が含まれていないのか」という違いが見えやすくなります。
複数の会社へ見積を依頼することに、気が引ける方もいると思います。
ただし、小規模事業者持続化補助金の第20回公募要領 第8版では、発注総額が50万円(税込)を超える場合、2者以上から見積を取ることが求められています。
補助金制度そのものが、一定額を超える発注では相見積を求めている形です。
総額のほかに確認したいこと
制作会社から見積書を受け取ったら、総額に加えて次の4つを確認してください。
- 制作中の修正は何回まで見積金額に含まれるのか
- 公開後に自分で更新できるのか。また、更新方法の説明を受けられるのか
- ドメインとサーバーを、自分または自社の名義で契約できるのか
- 保守契約の月額はいくらで、その料金に何が含まれるのか
特に3番目のドメインとサーバーの契約名義は、制作前には見落とされやすい部分です。
しかし、ホームページを作り直したいと相談されるときには、この部分が後から大きな問題になることがあります。
実際のご相談では、「自分でホームページを更新できない」「制作会社と連絡が取れなくなった」「自分に管理権限がない」といった理由を伺うことがあります。
ドメインやサーバーを自分または自社名義で契約していれば、将来、制作会社を変更するときにも対応しやすくなります。
また、初回のご相談で毎回多くいただく質問は、次の3つです。
- ホームページ制作にいくらかかるのか
- 制作を始めてから、どのくらいの期間で完成するのか
- 相談から公開まで、どのような流れで進むのか
制作会社へ相談するときは、金額以外についても遠慮なく確認していただいて問題ありません。
この記事で挙げた5項目を事前に決めておけば、どの制作会社へ相談した場合でも、同じ条件で比較しやすくなります。
当社でも、初回のご相談では同じように目的や掲載内容、用意できる素材などを伺っています。
「受け取った見積が妥当なのか判断できない」「ホームページにいくら予算を用意すればよいのか決められない」という段階でも、ご相談いただいて構いません。
具体的な制作金額を決める前に、分からないことから聞いていただいて大丈夫です。